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先進の3Dソリューション

3DソリューションのZPrinterシリーズは多業種多用途で多くのお客様にご利用頂いております。
こちらではZPrinterシリーズを実際に活用されているユーザー様の事例をご紹介します。

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東京都立産業技術高等専門学校
朝比奈 奎一     ※敬称略


最先端のデジタル・ツールや設備を導入し実践的なモノ作り教育を行う都立高専

Profile
朝比奈奎一(あさひな けいいち)
公立大学法人首都大学東京 東京都立産業技術高等専門学校 教授 工学博士・技術士。 早稲田大学理工学部機械工学科卒業(1970年)、東京都立大学大学院工学研究科博士課程修了。
東京都立工業技術センター(現東京都立産業技術研究センター)機械加工部主任研究員を経て東京都立工業高等専門学校生産システム工学科教授。
日本機械学会、精密工学会、日本設計工学会に所属、日本設計工学会理事。
著書に「やさしい生産システム工学入門」日本理工出版会など多数。


東京都立産業技術高等専門学校 生産システム工学コース

sample3.jpg東京・品川にある東京都立産業技術高等専門学校生産システム工学コースでは、NC、RP、3Dスキャナ、3Dプリンタ、3D CADなど、最先端の道具を導入し、デザインから金型まで、今まさにモノ作りの最前線で行われているワークフローを体験できる教育システムを実現している。

以前からZPrinterR310のユーザーであったが、2010年3月にはZPrinterR450を導入し、教材としてのカラーモデルの応用も広がる。

同コースを牽引する朝比奈奎一教授に話を聞いた。


3次元CADベースのデジタルモノ作りを指向し実践的な生産設備を校内に導入

shcool_1.jpg東京の品川、荒川に2つのキャンパスを持つ東京都立産業技術高等専門学校は、都立工業高専(品川)と都立航空工業高専(荒川)を前身とし、さかのぼれば東京府立電機工業高校、府立航空工業高校まで約70年の歴史を持つ、モノ作り産業に向けた人材を育てる学校だ。

2008年4月には公立大学法人首都大学東京の一員となり、品川、荒川の地域産業とともに、産学協同で実践的な教育を行っている。

 同校品川キャンパスの、ものづくり工学科(本科)生産システム工学コースでは、校内に工場
に匹敵する生産設備を有し、具体的かつ現実的な教育を行っている。本コースを牽引する朝比
奈奎一教授は、これまでの経緯を振り返る。

「 私が本校に着任したのが1990年(平成2年)、当時すでにCADの普及が進んでいましたが、教育の現場ではドラフターを用いた図面の書き方を教えているなど、実際のモノ作りの現場と少し距離感を感じました。もちろん図面の教育は大切ですが、実践教育を標榜する高専が取り残されてしまう危機感を感じました。
 そこで従来の機械工学科から分かれた形で「生産システム工学科」を作りました。大きく、工
学系エンジニアを育てることには変わりませんが、"3次元CADベースのデジタルモノ作り"を指向して教育カリキュラムを再構成するとともに、実践的な生産設備を校内に導入していきました。」


ラピットプロトタイピングが学べる学校

sample1.jpg同校の生産システム工学コースでは、いち早く3D CAD(Pro/ENGINNER)を導入し、それにともないRP(光造型システム)も設置した。約15年前であれば、実際の現場よりも先進的な設備を学校教育に取り入れたことになる。

「 教育としてデジタル的なモノ作りを推進する。世の中が3次元CADベースになったときに役立つ人材を育てる。そういったビジョンを念頭において活動してきました。

3次元CADのPro/Eを導入することで、まず設計の最上流のデジタル化を図りました。

そしてNCをはじめRP、3Dスキャナ、3Dプリンタなど、さまざまな設備を導入してきましたが、学生にはテーマを持たせて、これらのデジタルツールを用いたいろいろな研究、開発をさせています。
 例えば、RPで作ったモデルから砂型を起こして鋳物を流してモノを作る。ウレタン樹脂で型を作って流し込むなどを行っています。

 最近ではクルマのボディの制作を行いました。
3D CADで作ったモデルデータを石膏の積層モデル機であるZPrinterR310で出力し、それを3Dスキャンで再データ化してまた3D CADで編集しモデル出力する。そういった工程を繰り返すことでクルマのスタイリングの完成度を高め、かつ生産性も向上させる実験です。」(朝比奈教授)

 まさに生産の現場で行われている工程が、学校で実践されている。
クルマのスタイリングの手法などは、クレイモデルから点群データを取って製造する現実の自動車作りと同様の工程といっていいだろう。

「 それと"現物融合型モデリング"という実験も行っています。
これは3D CADでは作りにくい形状は、すでに存在する現物を3Dスキャンして、データ化してしまい、CADのモデリングデータと融合させて1つの製品を作るという手法の研究開発です。
具体的には現在、水上飛行機を制作しています。

これは本校近くの運河で簡易水上飛行機をとばす地域プロジェクトの一環でもあるのですが、水上飛行機のフロート部分というのは流体工学的に完成された形なので、この部分の形状はプラモデルから取り込んでしまい、新たに3D CADでモデリングした本体部分と合体させたモノ作りの手法を試しているところです。」

RPの有効性、生産性なども、一歩進んだ形で学生たちは学ぶことができる。


意匠デザインへのアプローチ

sample2.jpg生産システム工学コースはデジタル時代のエンジニアを育てることを第一義としているが、モノ作りにおいて、その最上流となる意匠デザインの工程も欠かせない。今後はデザイン教育も重視していきたい、と朝比奈教授は語る。

「 機械設計から最終的なモノ作りまでのデジタル一貫システムの教育はある程度できてきたので、今後はもう少し上流の意匠設計の部分を手がけたいと検討しています。たまたまデザインをやらせたら軒並み賞を取った学生がいました。
その学生は空気の汚れを検出するポータブルデバイスや、ビルのエントランスの天井のオブジェ的な鯨の形をした空気清浄装置をデザインしました。本校のRPや3Dプリンタなどを使ってそういったモデルを作り、各種デザインコンペなどに応募し、受賞しました。
そういった学生の活躍を見て、校内でデザインに対する関心が高まってきました。
そこで私が主催して、インフォーマルな集まりですが、デザイン研究会を作りました。
また来年度からこれらの実績を踏まえて、正規の授業や実習にデザイン教育を取り入れたいと思っています。」


オペレーションを教えるのではなく設計の本質を教えるのが本校のテーマ

Dr.asahina_1.jpg実は、生産システム工学コースはこれまであまり学生に人気がなかったという。
「生産」という名称にスマートな印象がなかったからかもしれない。

ところが朝比奈教授がデザイン研究会を作ったことで、一気に人気が出て、女子学生も増えた。
やはりモノ作りの花形はデザインにあるのかもしれない。

そのとき学生の関心を集めたのが3Dプリンタで出力したいくつかのモデルだった。

「 これまでは5年前に導入したZPrinterR310によるモノクロの石膏モデルを使っていたので、ヤスリで削ってエアブラシで色を着けたりしていました。3Dプリンタは値段が安くなってきたので今度はカラーにしたかったのですが、今年度の予算でカラー出力が可能なZPrinterR450を設置しました。
本格的な稼動はこれからですが、デザインの検証をはじめ、解析の応力分布の色分けや、アセンブリモデルの部品ごとに色を変えるなど、さまざまな局面で教材として役立ちそうです。
石膏モデルは出力後の加工が自在な点も便利ですし、メインテナンスが楽なのも学校教育に適しています」(朝比奈教授)。

 東京都立産業技術高等専門学校の学生は、卒業後、自動車メーカー、設計事務所、ゲーム会社などへ、モノ作りのプロを目指し旅立っていく。学校で最先端のツールを体験できたことが新社会人としてのアドバンテージになるだろう。だが教授はそれ自体が同校の目的ではないという。

「 学生にはデジタルとアナログを行ったりきたりする体験をしてもらいたい。ただオペレーションを教えるのではなく、設計の本質を教えるのが本校のテーマ。そこを間違えてはいけない」。
朝比奈教授は笑顔で結んだ。

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